スキハジSEO | システム概要と判断基準

記事を「作る」だけでなく、
「測って、選んで、直す」まで回し続ける仕組み

進路情報サイト「スキハジ」のSEO記事を扱う社内システムです。公開した記事の検索実績を毎日・毎週自動で集め、次に直すべき記事を決まった基準で選び出し、分析と下書きまでをAIが用意します。人が受け持つのは、内容の確認と公開の判断です。

基盤 Google Apps Script・スプレッドシート・Looker Studio AI Gemini API 外部データ Search Console/GA4/SerpApi(検索結果の取得) この資料の基準日 2026-09-28
分析と管理は自動順位の記録、競合の確認、直す記事の選定を人が手でやる必要はありません
判断は決まった基準で「どの記事を直すか」「公開してよいか」を数値の基準で機械的に決めます
品質は仕組みで担保自校の一次情報がない記事、80点未満の記事は、そのままでは公開に進めません

1全体の流れ:4つの工程が輪になっています

① 選ぶ 自動 順位とクリック率から 直す記事を5段階の優先度で判定 人は一覧から着手する記事を 選ぶだけ(→ 3章) ② 調べる 自動 検索上位10ページを取得し 必須の話題・共起語・文字数を整理 自校サイト約600ページから 引用できる一次情報を提案 ③ 作る AI作成+人が承認 下書き・タイトル3案・画像案 構造化データをAIが作成 100点満点で採点、人が4か所で 確認して承認(→ 3章) ④ 公開・測る 自動 毎日:自校の順位・表示・クリック 毎週:競合校の順位 公開日・リライト回数も自動記録 大きな順位変動はチャットに通知 公開 実績の数字が 次の候補を決める 公開して終わりにしない 記事ごとに、この輪を何周も回します

左の縦の矢印がこの仕組みの要です。公開後の検索実績が、そのまま「次にどの記事を直すか」の判定材料になります。担当者の勘や記憶に頼らず、埋もれていた改善の機会が拾われ続けます。

2いつ何が自動で動き、人は何をするか

タイミングシステムがやること人がやること
毎日 6時台Search Consoleから自校の順位・表示回数・クリック数を取り込む。前日比で5位以上動いたキーワードをGoogle Chatに通知なし
毎週 月曜7時台SerpApiで競合校の検索順位を取得(週30キーワードまで。配分は3章)なし
毎月 1日自校サイトの全ページ一覧(一次情報の探し先、約600ページ)を最新化なし
記事を直すときダッシュボードの「候補を更新」で、直近30日と前の30日の実績を比べて候補を判定し、優先度順に並べる人 候補から着手する記事を選ぶ
記事ごと分析 → 一次情報の提案 → 下書き → タイトル案 → 採点 → 改善提案人 4か所で確認・承認し、WordPressに貼り付けて公開。アプリで公開登録
月1回AI利用のコストを管理画面に表示人 AI Overviewでの自校の引用状況を確認(約30分・手作業)

公開登録をしないと、その記事は測定にも候補判定にも乗りません。輪を回すために人が必ずやる操作はこの1点です。

3判断基準

判定はすべて数値の基準による機械計算です(AIは判定に使っていません)。値は運用しながら見直す前提の暫定値で、下表はいま実際にシステムで動いている値です。

3-1 どの記事を直すか(リライト候補の優先度)

優先度条件(直近30日の実績)ねらい
①平均順位 11〜30位、かつ表示回数 100回以上あと一歩で1ページ目。需要もあるので効果が出やすい
②表示 30回以上で、クリック率が順位帯の目安の 7割未満見られているのに押されていない。まずタイトルと説明文を直す
③平均順位 11〜30位、表示回数 100回未満順位は惜しいが需要が小さい
④前の30日より 5位以上下落、かつ今も30位以内で表示 100回以上まだ実利のある記事の落ち込みを早めに止める
⑤公開・前回リライトから 180日以上経過/上記以外の下落情報の鮮度を保つ

複数の条件に当てはまる記事は、いちばん高い優先度で扱います。同じ優先度の中では「表示回数 → 下落幅 → 経過日数」の大きい順に並べます。公開・リライトから 30日未満の記事は、直した効果がまだ数字に出ていないため候補から外します。

3-2 クリック率の目安(このサイトの実測値)

②の判定に使う表です。一般的なSEO統計ではなく、スキハジの3か月分のSearch Consoleデータ(ページ単位・表示回数で加重)から作りました。

斜線の1〜3位は実測サンプルが少ないための推定値です。4〜5位より6〜10位のほうが高いのは、「〇〇 なるには」のような職業名の検索は意図がはっきりしていて、少し順位が低くてもクリックされやすいためと考えています。一般論の数字を借りていたら、この傾向は拾えませんでした。

3-3 競合順位をどのキーワードで取るか(週30語)

競合順位の取得は外部APIの無料枠を使うため、週30キーワードに絞っています。自校の順位は無料・無制限で取れるので、その数字を使って有料枠の使い道を決めます。

① 強制枠自校の順位が直近で急落したキーワード。優先度に関係なく今週必ず確認
② 優先枠一度も確認していない語を先に。次に、過去に競合が上位にいた語
③ 様子見枠しばらく確認していない語を5語ずつ順番に回す。低優先の語が永久に後回しにならないように

約50語の追跡キーワードは数週間で一巡します。今週どの語を取りに行ったかは、理由つきでスプレッドシートに残ります。

3-4 公開してよいか(100点満点の採点)

一次情報の組み込み(自校ページの引用とURL)AI+機械
15
構成(上位ページの必須トピック網羅と差別化)AI
15
共起語の充足機械10+AI5
15
読みやすさ(段落・句読点・常用漢字)機械
15
冒頭で結論を答えているかAI
10
E-E-A-T(署名・体験の具体性・出典)AI
10
CTA(資料請求・LINE等への導線)AI
10
文字数(上位平均の80%以上)機械
5
FAQ(関連する質問への回答)AI
5
80点以上で公開可。未満で進める場合は理由の入力が必須
点数に関係なく公開不可自校の一次情報がゼロ/表現ルール違反/実在しない出典や統計を検出

3-5 人が必ず確認する4か所

学校が出す情報なので、AIの文章がそのまま公開されることはありません。次の4か所で人が承認しないと先へ進めない作りです。

一次情報AIが提案した自校ページから、記事の根拠にするものを選ぶ
下書き内容を確認する。リライトでは見出しごとに「残す・直す・消す・足す」を指定でき、触らない部分は1文字も変わらない
タイトル3案から選ぶ。公開済み記事なら実際のクリック率も並べて表示
最終承認数値・固有名詞・日程・引用元のチェックリスト。全項目にチェックするまでコピーボタンが押せない

4人の時間はどれくらいかかるか

記事1本(新規・リライトとも)

約20分

一次情報の引用、画像の設計、構造化データ(JSON-LD)の作成もこの中に含まれます。以前はこれらだけで1時間ほどかかる見込みで、実際には手が回っていませんでした。同じくらいの時間で、以前は作れなかった水準の記事が作れるようになった、というのが実態に近い説明です。

分析・管理の作業

作業以前今
直す記事を選ぶ毎月約1時間。ツールに慣れた人しかできなかったボタン1回。判定は機械計算
順位の確認画面を見て人が読み解く自動で記録。大きな変動だけ通知が届く
公開・リライト履歴記事ごとに手入力自動で記録
追跡キーワードの登録手作業で登録新規記事の作成時に自動登録

月4本作る想定で、記事制作と管理作業を合わせて月約4.5時間(年約54時間)の削減と見積もっています。以前の数字は担当者の実感値です。

5仕組みそのものも、使いながら直していきます

記事の輪とは別に、システム自体を改善する小さな輪があります。公開登録を終えると任意のフィードバック画面が開き、寄せられた声は関連する操作ログと一緒に保存されます。

声を集める公開後のフィードバック画面。どの記事・どの操作かのログを自動で添付
原因を見る管理画面で未対応の件数と内容を確認
直すプロンプト・基準・画面を修正
記録する何を・いつ・どの版で直したかを改善履歴に残す。元のフィードバックは自動で「対応済み」に

→ 次の記事から反映

実際の運用から生まれた改善の例

気づいたこと入れた対策
AIが「〇〇調査によると」と実在しない統計を書いたことがあった生成側で禁止し、採点側でも検出したら公開不可にする二重の対策
引用元に示した公的機関のページに、その金額が載っていなかった数値は引用元に書かれたものだけを使うルールに。公的データの引用先は登録制にし、最終承認で数値と引用元を並べて照合する欄を追加
クリック率の目安に一般的なSEO統計を使っていた自サイトの実測値に差し替え(3-2の表)
上位平均より長い記事まで文字数で減点していた足りない場合だけ減点する方式に変更。厚みのある記事を損させない

6いまの限界と、見直せる値

できていないこと

検索ボリューム月間検索数を調べる機能はありません。必要なときは手作業で調べます
競合順位の鮮度週30語ずつなので、キーワードによっては数週間前の値です
AIでの引用状況AI Overview等での自校の引用確認は月1回の手作業です
画像の生成アプリは画像の指示文とalt案まで。画像そのものは別の生成AIで作ります

ご意見をいただきたい値

項目現在の値
「惜しい順位」の範囲11〜30位
「アクセスが多い」の下限表示100回/30日
クリック率不足とみなす比率目安の70%未満
下落とみなす幅5位以上
鮮度で候補にする経過日数180日
公開してよい点数80点以上
競合順位の取得数週30語

7用語

Search Console
Googleの無料ツール。自校ページが何位に出て、何回表示・クリックされたかがわかる
クリック率(CTR)
検索結果に表示された回数のうち、実際にクリックされた割合
一次情報
学科紹介や先輩の声など、自校サイトにある実際の情報。記事の根拠として引用する
共起語
上位の記事に共通して出てくる関連語。話題の網羅度の目安
タイトル・説明文(TD)
検索結果に表示される記事名と要約文
構造化データ(JSON-LD)
記事の内容を検索エンジンに機械で読める形で伝えるコード
SerpApi
Googleの検索結果を取得する外部サービス。競合順位と上位ページの取得に使う